Bass Bass Bass

コントラバスの名前

 こんなにいろいろな呼び名がある楽器はめずらしいかも。 音楽的、社会的、自分的背景で名前を解説します。

1 Contrabass

  主にクラシック音楽分野で使われることが多い。Contra- の文字の示す意味は何だろうか? 他の楽器の例では元の楽器より1オクターブ低い楽器にContraが使われるようだ(例Contraalto Clarinet)。 bassより更に一オクターブ低い音域ということか? この楽器はチェロより一オクターブ低いが、Conracelloという言葉はあるのだろうか? 自分的には、この楽器の目的が主旋律に対するカウンターメロディーを受け持つことにあるということをこのContraという名前が表していると思いたい。最低音部のメロディー楽器として。

2 Wood Bass

  主にジャズ、ポピュラー音楽分野での呼び名。 エレキベースと区別するために付けられたのであろう。 エレキベースも普通木製なのだけれど?、、、と思っていたら、エレキベースの製品名にWood Bassと付いているのがあった。 これはやばい! 日本以外では通用しない和製英語。

3 Acoustic Bass

  Berklee College of Musicでの正式な呼び名はAcoustic Bassであったが、おそらくバークリーも変更せざるを得なくなるだろう。というのは、最近アコースティックギターのベース版のような楽器が出現し、Acoustic Bassという呼び名を使っているので、一般にはそちらを連想してしまう。

4 String Bass

  弦バスの語源であるこの言葉は吹奏楽で使われることが多い。Bass ClarinetやContrabass Clarinetなどの管楽器と区別するために付けられた。

5 Double Bass

  バークリーのエレベーターに二人のContrabassが乗っていたら、「Double Bass!」と私並みのジョークを言っていた先生が何人かいたが、もちろん二台のBassという意味ではない。 Doubleの意味はContraと同じく、単に一オクターブ音が低いという意味なのかもしれないが、もう一つの解釈は歴史的に興味深い。この楽器はチェロなどと比べると新しい楽器であり、初期の頃はチェロと同じパートを一オクターブ低い音で演奏していた。この楽器の目的はチェロの音をより豊かにするためにあった、といえる。つまり、チェロと同じパートをダブルで演奏する楽器という意味である。 当時、チェロ奏者とコントラベース奏者は同じ譜面を使用していたため、現在でもベース用の譜面は実音より一オクターブ高く書く習慣になっている。コンサート譜でもパート譜でも常に一オクーブ高く書かれている。従ってシーケンサーソフトなどで音を出すときは、一オクターブ低く移調する必要がある。

6 Bass Violin

  クラシックの譜面でみることがあるこの表現は、この楽器がバイオリン属であることを表している。 エレキベースはElectric Bass Guitarで、ギターから進化したものであり、ジャズ、ポップス系プレーヤーは便宜上(仕事上というか)どちらも演奏する人が多いが、全く別の楽器と認識してアプローチすべきと思う。  

類似する低音部の弦楽器であるチェロは、いわばヴァイオリンを大型化させた、れっきとしたヴァイオリン属であるのに対して、コントラバスはヴィオラ・ダ・ガンバの最低音域楽器であるヴィオローネという楽器が直接の先祖に当たる。これは16世紀に生まれ、18世紀頃まで用いられていた。

このように、もともとヴィオール属から進化した楽器であるが、バロック期後半頃からチェロの影響を受けて次第にヴァイオリン属との融合が進み、現在ではヴァイオリン属とヴィオール属の中間に位置する楽器とされている。

7 Upright Bass

  ロカビリーバンドでしばしば使われる。 この言葉もエレキベースと区別するために付けられたのであろう。 エレキベースの歴史は本当に浅いが、その市民権はコントラバスを圧倒している、という現実が生んだ言葉と言えよう。 最近、Electric Upright Bassというコントラバスのボディーの無いような電気楽器が出現し、この言葉も死語になりそう。 米国ではElectric Upright BassはStick bassを呼んでいたが、電気を通さなくても結構音が出るのでコントラバスの練習に私もかなりお世話になった。

8 Bass Fiddle または Bull Fiddle

  ブルーグラスで使われる。ブルーグラスではバイオリンをフィドルと呼ぶが、それに対応した言葉。

9 Bass  

  単にバスまたはベースともよく呼ばれる。 このように呼称が多いのは、コントラバスがさまざまな場面で使われることの表れである。